獣医療

耳介部の裂創縫合時につかえる神経ブロック

 耳の外傷はあまり頻繁にみかけるものではありませんが、けっこう敏感な部分なので処置が大変なことがあります。今回はそんなときに使える神経ブロックの紹介です。

神経ブロック

 馬の跛行検査で、獣医師が肢に針を数カ所刺して、痛みの部位を特定しているところを見たことがありますか?あれは『神経ブロック』と呼ばれる手技です。

 神経ブロックは主として末梢神経に直接またはその近傍に局所麻酔薬を行うことにより、一時的に神経機能を停止させ痛みを軽減することができます。

この作用を利用して、神経の分布する領域の外科処置を行ったり、跛行の原因部位の特定を行うことがかのうになります(診断的ブロック)。

臨床的によく使える神経ブロックや関節の穿刺部位をわかりやすく解説してある良書です。

外耳の裂創

左耳の裂創
大耳介神経ブロック

耳介の軟骨の尾側のもりあがった部分の根元を穿刺。慎重に触ると神経が縦に走っているのが分かります。 

大耳介神経ブロック
内耳介神経ブロック

耳介の軟骨の一番根元。”珠間切痕”とよばれる耳介の前と後ろの間の窪みをランドマークにして、そのわずかに吻側(口側)にあるシワの部分。

内耳介神経ブロック

各部位に 2%リドカインを2~3cc皮下投与 (針:25G)で 約15~20分の手術が可能でした。

ちなみに抜糸が難しいので皮内縫合で。 術後の経過も良かった症例でした。

お試しあれ。

🐎Mahalo🐎