
幻の大会・そして手術
僕の友達のマハロは ノボマハロ という競走馬名で走っていました。中央でも1勝してたし、馬格もあって力も強く、見栄えのする馬でした。
2021年、障害用の乗馬として調教し、いよいよデビュー!という大会は、コロナの影響で当日中止になってしまいました。
その2週間後、持病の右前足の外側繋靭帯炎が悪化したため、いろんな治療をしたのですが、うまくいきませんでした。手術を行い一度は良くなりかけましたが、感染性腱鞘炎という術後合併症のため2度目の手術。
なんとか持ち直しましたが、乗馬として激しい運動をさせることは無理な状態=”ひどい関節症”となってしまいました。 なので、一度も一緒に大会に出ることはできませんでした。
リードホース
リードホースは、幼稚園の先生のような馬のことを言います。春先に生まれた仔馬たちは、離乳したのちに同世代の仔馬たちと一緒に放牧されるようになります。
人間の幼稚園児と同じで、仔馬たちも放牧中は沢山の刺激に対して大きなアクションを起こします。鹿が出てきてはびっくりして走り回り、喧嘩をしてケガをしたり。
そんな時に、年上の馬がいると群れを落ち付かせる効果があるようで、数年前から社台グループ内でもやっていることを聞いていました。
もちろん適正はあるようで、ほかの馬を攻撃したり、蹴ったりするような馬は向きません。幸いマハロは、おとなしい性格で、今のところは大丈夫なようです。これからもっと経験を積んで、立派な幼稚園の先生になってくれることを期待しています。
通常は、年齢を重ねた繁殖雌馬がリードホースを務めることが多かったようですが、放牧地での運動量の観点から、『若めのおとなしめの騙馬』が良いこともあるそうです。まさにマハロにピッタリ。www
実は、今年2022年の1月にマハロが引っ越ししてからさらに状態は悪化し、3月にもう一度手術することを余儀なくされました。自分の馬の手術は辛い仕事でした。アメリカの超有名な外科医に相談しても、予後はよろしくなさそうだと言われました。
でも、マハロと牧場のスタッフが辛抱強くじっくりじっくりとリハビリをやってくれたおかげで、リードホースという第三の馬生をスタートすることができました。
マハロに関わり、力を貸してくださった乗馬クラブの皆さん、SHCスタッフ、牧場スタッフ、みなさん全員に心から感謝です。
これからも、 Mahalo Nui Loa (サンキューベリーマッチ!!) の名に恥じないような、感謝の心を忘れない、すばらしい馬になってくれると思います。
みなさんほんとうにありがとう。
Mahalo

ああーーーー。本音はお前と一緒に大会出て、みんなをあっと言わせたかったよ~