愉しむ

馬へのカイロプラクティック -Last-

4回の連載を企画した 『馬のカイロプラクティック』。 

興味のある方が多く、連載中に様々な質問を受けましたので、それらについて磯部先生に回答していただきました。

 最終回。ぜひお楽しみください。

馬 の カイロプラクティック Q & A

Q1 ; 施術前と背術後 では なにが違いますか?

 背骨の異常なズレにより神経系へ圧力を掛かっている場合、身体の様々な機能が低下又は不調和を起こします。

 僕の場合は施術前に歩行の調和、骨盤の捻じれ、前後で左右の足の長さの違い、足関節と足首の可動域、顎関節の動き、背骨の位置や動きの滑らかさ、耳の反発力などを検査します。

 施術後は各検査項目がどれくらい調和しているか(変化しているか)を観ます。

 施術後の変化は上記の検査項目がより調和(左右対称)に近づきますが、左右対称を目的に行うのではなく、あくまで神経伝達が円滑になり、調和の取れた身体機能に回復しているかを問題にしています。神経系の機能が調和・回復する事により多くの恩恵を受けます。以下の報告はその一部です。 

  • 歩き方が円滑になった
  • 身体能力が上がった
  • 体重と筋肉が増えた
  • 首の痙攣発作が改善した
  • 腰のふらつきが改善した
  • レース場で半周までしか走れなかったが走り切れるようになった
  • 背骨のねじれが改善した
  • 足の捻じれが改善した
  • 内臓疾患が改善した   など

Q2 ; 施術の金額について教えてくださ

詳しくは 当院のウェブサイト に記載しています。

2回目以降 は

  (神経機能が調っていて良好な状態を維持している場合)

※ 往診費は別途かかります(複数頭の時はご相談ください)

 「やったことがないので金額的な不安がある。最初のお試し価格的なものはないですか?」という質問を頂きましたが、これは言い換えると「手術したことが無いので不安です。最初のお試し価格は無いですか?」と病院で聞いているようなものです。

手術を「お試し」では出来ません。

同じく施術も「お試し」でする事はありません。

何より施術した瞬間から身体の機能が調い、馬生の質が向上する現象は、お金では買えない価値を持ちます。

Q3 ; ウォブラー症候群の馬に実施したことがありますか?その結果は?

実は良くある依頼がウォブラー症候群と診断された馬への施術です。

以下に施術後の変化が分かりやすい症例動画をご紹介します。

施術日: 2022年10月1㈰  サラブレットの牝馬  当時17歳

2021年クッシング症候群と診断、投薬中

主訴:異常な歩様、原因不明の頭部痙攣

結果:歩様の向上、頭部痙攣向上

施術前動画(2022/10/1)↓

施術後動画(2週間後 : 2022/10/14)↓

本当に身体の力は偉大です!

常識では考えられない回復を見せる事もあり得ます。

身体に回復し易い環境と時間を与えて下さい。

ウォブラ―症候群(頸椎狭窄性脊髄症) 

頸椎の配列異常や、頸椎の形態的変化によって生じた脊髄の圧迫によって、

よろめき・ふらつき等の運動失調を引き起こす神経疾患

Ⅰ型(動的圧迫);発育期に多い

Ⅱ型(静的圧迫);成馬・高齢馬に多い(頸椎の変形性関節症)

※近日中に ウォブラ―症候群の記事 書きます。

Q4  ; 日本で馬のカイロプラクティックを学ぶ方法はありますか?

日本で学べる教育機関は在りません。

カイロの本場米國の教育機関で動物カイロを習得したD.C.(ドクター オブ カイロプラクティック)は僕の知る限り日本全國で4名だけです。

今後國内で益々需要が高まるのは間違いなく、日本でのカイロプラクティックの法整備と教育機関の設立が急務と成ります。

日本でも動物カイロプラクターを育てられる日を目指してがんばります。

Q5  ; 磯部先生のところで研修など受け付けていますか?

講義や見学は受け付けています。

教育は現在受け付けていませんが、僕の出身校である米國のA.C.E.S.と提携し、オンラインの座学とテキサス州での実習を組み合わせた教育は可能です。その場合は僕が通訳として米國テキサス州への実習に同行します。詳しくはお氣軽にお問い合わせください。

Q6  ; カイロの施術による副作用はありますか?

副作用は様々です。

神経機能が回復していく中で本当に様々な良い副作用(効果)があります。

脳機能の活性化、運動機能の向上、日常生活の動きの向上、症状の改善や機能不全からの回復など多種多様です。

カイロプラクティックは魔法でも手品でもなく、科学的に背骨への施術により神経系に変化をもたらすものですので、誤れば良くない副作用も起こり得ます。

実際に米國での報告の例をご紹介します。

  • 背骨を支える筋肉や靭帯の損傷
  • 神経痛や痺れ
  • 骨折    など

神経系は身体のあらゆる機能を支配する中枢機関ですので、その生命線とも言える臓器を保護している背骨に刺激を与えるというのは本当に危険と隣り合わせの行為です。

まとめ

今回鈴木先生のご厚意で動物カイロを皆様にご紹介させて頂けた事をとても嬉しく思います。この場をお借りして鈴木先生には御礼申し上げます。

カイロプラクティックは独自の哲学、科学、芸術を備えた唯一無二の存在意義と社会的役割を持っています。

今後皆様とその動物達への身体の手入れとして正しいカイロプラクティックの認識、良いカイロプラクターを選ぶ時の指標、あるいは将来の職業選択の一つとして、

僕の記事がお役に立てれば幸いです。

最後に皆様にお伝えしたい事は、

貴方の身体を創り上げたその力こそが、貴方の身体を常に癒し、生かしてくれているという事です。

どうかご自身の身体を大切にしてあげてください。

もっともっと自分の身体の潜在能力を引き出す術を活用して、人生、動物生を謳歌して頂きたいと願っています。

症状や病氣になってからどうしようかと迷うのではなく、

病氣や怪我になりにくい身体作りをする事の大切さを考えて頂きたいと想います。

何時の日か皆様に貢献出来る日を楽しみにしています。

これまで僕の記事を読んで頂き本当にありがとうございました。

大家族カイロプラクティック

磯部博文D.C.