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獣医療

『管角化症』について

 後肢の管の前面に 『汚くて油っぽい』もしくは『うろこ状のフケ』が様々な大きさで付着する状態です。 

どの品種にもみられますが、サラブレッド種、アラブ種の血統が入っている馬はなりやすいことが分かっています。

一見すると、ケイクン にも似ていると思わる方もいるかもしれません。

以前は、雄馬や騙馬の尿が管前面に付着することが原因と考えられていましたが、はたして…

管角化症(Equine Cannon Keratosis)

管角化症は 英語では 

Equine cannon keratosis の他に、

 Cannon Dermatitis ・ Stud Crud ・ Leg Funk 

などと呼ばれます。

定義は 『皮脂と角質の過剰蓄積による皮膚疾患』 です。 

好発部位は、その名の通り後肢の管骨の前面です。

原因と症状

  • 皮脂腺の活性化:油分が多く分泌される
  • 角質(ケラチン)の蓄積:皮膚のターンオーバーが乱れる
  • 外的要因:湿度、汚れ、グルーミング不足など

 『角質』はケラチンを主成分とする皮膚の最外層の構造です。

 

自然免疫応用技研株式会社HPより

皮膚は内側から「皮下組織」「真皮」「表皮」の3つに大きく分類されます。この「表皮」はさらに内側から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層」に分類されます。

表皮を形成するケラチノサイトが基底層で作られ、皮膚は新しくなります。

基底層でケラチノサイトが作られると、前からあった古いケラチノサイトはどんどん上へ上へと押し出されて角質層に移動します。そして最後は、死化したケラチノサイトが『(あか)』となってはがれ落ちます。

皮脂線は、皮膚の保護に必要な油分を分泌しますが、過剰になると ベトベト した『鱗屑(りんせつ)』が付着してしまいます。

黒~茶色のワックス上の皮膚堆積物が目立ち、触ると粘着性があり毛が張り付きます。

 通常は、痛み・痒みなどの症状がありませんが、悪化すると細菌や真菌の二次感染を起こすこともあります

 その場合は、痒みや痛みを感じるようになります。

以前は、尿が付着する(特にオス馬)ことが原因と考えられていましたが、性別に関係ないことからも、現在では尿の付着は病態に関係ないとされています。

管角化症以外にも、管の皮膚に異常をきたす疾患があります。それらとは区別する必要があります。

治療

  1. 定期的なグルーミング : ゴム製のCurry comb 
    • ゴム製のCurry Combで優しくこすり、皮膚表面の過剰な組織片を除去します。
    • 無理やり剥がしたりすると皮膚にダメージを与えて、結果として二次感染を招くかもしれません。
  2.  角質溶解剤 : ケラトリティックシャンプー
    • おもに イヌやネコの 脂漏症 のケアを目的としたシャンプーです。
    • 成分の サリチル酸 は 角質を柔らかくして除去しやすくする効果があります
    • お湯は30~35℃くらいが良いでしょう。これより熱いと皮脂が過剰に流されてしまうかもしれません。
  3. 皮膚補語クリーム : White Healer
    • シャンプーで綺麗にした後に 保湿 と 抗菌ケア を目的に使います
    • 失われた被毛の再生を促します。 毎日塗ることが大切です。
Ranvet:担当の獣医師に注文してください(輸入)https://www.ranvet.com.au/products/white-healer-5/

さいごに 

上記の治療薬の他にも、薬局で購入できるものや、ヒト用の薬もあります。

尿素クリーム や ワセリン、 ヘパリン類似物質 、 マキサカルシトール などです。

ですが、 まずは、清潔な環境で、皮膚を清潔に保ち、定期的な皮膚チェックを欠かさないようにしましょう。

Mahalo