愉しむ

オリンピック馬術競技の防疫について

 いよいよ今月27日からオリンピック馬術競技が始まります。馬場・障害・クロスカントリー、人馬ともに無事であって欲しいと心から願いながら、熱い戦いを心待ちにしています。

オリンピック種目の中で、動物とともに戦う競技は馬術だけです。出場選手はもちろん、馬の健康と福祉には最大限の配慮がなされるべきです。

 そのためには、期間中の治療の規制や、ドーピング検査、歩様検査など、万全の対策がとられています。

 また、オリンピックの馬術競技は世界中から馬が集まるため、FEI(国際馬術連盟)は感染症の防疫に最大限の注意を払っています。

東京2020

前回の東京オリンピックでは、49か国から323頭の馬が来日しました。

ヨーロッパから入国した馬は、出国前に7日間の検疫を受け、ベルギーのリエージュ空港から輸送されました。

日本の馬事公苑到着後は徹底した身体検査が行われ、特にインフルエンザやヘルペスウイルス感染症の防疫に警戒を強めて対策されていました。

 参加馬の通常の治療は、各国のチーム獣医師が治療用の馬房で行い、各種検査は公設診療所で専門獣医師がおこなう体制になっていました。

 JRA・民間団体・ボランティア参加など、多数の馬獣医師が国内からも協力し、暑熱対策・トラブル対応・インスペクションなど、多くの獣医業務に従事することで、円滑な運営が成功したと言えます。

ただ、可能な限りの対策を練られたうえでも、クロスカントリーや障害競技において馬に不慮の事故などが発生したことを踏まえ、フランスの下院議会の研究グループは、パリオリンピックを『馬の福祉のオリンピック競技大会にするための46のこと』を提言しています。

 提言には、馬具の使用方法や、各競技中の運動内容、飼養環境など、多くの項目が含まれています。

2024パリオリンピック

障害飛越競技は合計35か国(75頭)、馬場馬術は30か国(60頭)、総合馬術は27か国(65頭)の参加が見込まれています。 

『馬インフルエンザ』は、防疫上で最も重要な感染症と言えます。

感染力が非常に高く、高熱・鼻汁・咳を呈する疾患で、世界各地で警戒されています。

日本では、春に摂取する『3種混合ワクチン』に含まれている疾病で、秋にも補強接種が推奨されています。

体温管理

 本オリンピックでは参加する全馬に対し、馬インフルエンザワクチン接種に加えて、会場到着の3日前から1日2回の体温チェックが義務付けられています。

 さらに、入厩の際は直ちに獣医師による検査が行われ、公式な体温チェックが行われます。

 体温が38.3℃以上、あるいは神経症状を認めた場合は、そのまま隔離されます。同じ馬運車に乗ってきた馬も同時に隔離されインフルエンザとヘルペスウイルスの感染症検査が行われることになっています。

 大会期間中は、馬の厩務員がFEIのアプリに馬の体温を登録することで報告します。

感染症には病原体に暴露された後に発症するまでの潜伏期間があります。発症する前に対応することも大切になります。

 大会中は、水桶、飼い桶、馬具、引手、などありとあらゆる物の共同使用が禁止されています。もちろん、タオルなども同様です。また、厩舎の廊下ですれ違うことも許されていません。

厩舎内では、違う馬に触る際は手を洗ったり手袋を変えなければいけません。

人の出入りも制限され、馬1頭につき厩務員、騎乗者、獣医師、馬主(最大2人)と決められています。

国内の馬術競技放送予定

 パリと日本の時差は7時間。 仕事が終わって、テレビで観戦するには最高の時間帯です🐴

TVer

なんと、生放送、みれます!

スカパー!(BS234ch)、スカパー!プレミアムサービス/光(CS688ch)、J:COM、eo光テレビ、CNCI(一部を除く)は無料放送  ※グリーンチャンネルWebは配信なし

応援には行けませんが、ジャパンの活躍をみんなで見守りましょう!!

Mahalo