遅くなりましたが、先月10月23日~25日、馬の疝痛に関する一般向けオープンセミナーと、獣医師向けの研修を行ってきましたので、そのご報告。
まずは、WEB登録が400人を超えたオープンセミナー。
馬オープンセミナー2022
10月23日(日) 夕方 18時~ 大阪公立大学りんくうキャンパス にて

新型コロナウイルスの影響もあって、現地参加の人数に制限はありましたが、それでも50人以上の方が参加されました。皆さんどうもありがとう。
思ったよりも講義室が広くてびっくり。
『疝痛の治療について学ぶ』というちょっと硬いタイトルだったこともあって、会場の方も真剣な表情で、空気が重い。。。 まだこの空気を柔らかくできるまでのトーク技術はないのです(反省)
これがおしながき。 まだ動画をご覧になっていない方は、この流れでお話ししているので好きなところからお聞きください。

2時間で100枚以上のスライドがあるので、最後の『やるべきこと & やっていはいけないこと』だけご紹介。
やるべきこと


やっていはいけいないこと

会場には獣医師も数名参加されていましたが、この『やっていはいけない』をもっと声高に伝えて‼との要望がとても多かった。特に直腸検査
直腸検査は『検査』です。馬の直腸は傷みやすく、トレーニングをされていない人の手の挿入はとても危険です。穿孔(直腸に穴をあけてしまうこと)を起こしやすく、いったん穿孔すると救命が困難となります。
ほとんどの 馬の便秘 は直腸で起こりません。
ですので、ホースをもって水を注入しても、効果は極めて限定的です。危ないだけです。
※もう少し詳しく知りたい方は動画で解剖のところをご覧ください。
また、疝痛をしている馬は突如として倒れたり、蹴ったり、崩れたりします。残念ながら、直腸検査で命を落とす獣医師もいます。
つまり、必要性のない場合獣医師でない方は絶対にやるべきではありません。
それでも『この方法で治った馬を知っている』という方、痛みが引いたタイミングが偶然一致しただけだと思っておいた方が良いでしょう。
疝痛馬を数えきれないほど診療した獣医師たちや、私たちからのお願いです。やめましょう。
セミナー後
セミナー後は別室に移動して、質問タイム? 座っていないけど座談会?
直接疝痛とは関係のない質問も多かったですが、質問されてきた方のお役にすこしは立てたかな?

一般の方向けのこのようなセミナーはこれまであまりなかったと思います。
主催していただいた大阪公立大学獣医学部、共産の大阪畜産会様に 🐎Mahalo🐎