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ノーズバンド測定デバイスについて

FEIホームページより

FEIイベントでは、鼻革の締まり具合を評価する『Noseband Measuring Device』が導入されました。

これまではスチュワードが指で検査していましたが、デバイスの使用により、公平性が保たれるようになります。

FEIのホームページには、以下のように使用方法が説明されています。

デバイスの使い方

① おちついてゆっくりと馬の横から近づきます。

② 空いている手で鼻革を持って、デバイスを入れるスペースを作ります。

③ デバイスの薄い先端側を、優しく鼻梁の正面と鼻革の間に通します

④ 鼻革をくぐらせてデバイスを下方向に引き抜きます

⑤ しずかに馬から離れる

⑥ 消毒用のワイプでデバイスをふき取る

つけ方の動画は こちら から

FEI Veterinary and Welfare Rules – Changes for 2025 | FEI

鼻革の締めすぎによる馬への影響は、これまでに多くの報告がなされてきました。

鼻革を強く締めると、生理的ストレス反応の結果、

  1.  心拍数の増加
  2.  心拍数の変動の抑制
  3.  眼の温度の上昇
  4.  口周りの動きの抑制

などの変化が認められるそうです。

2017年のDohertyらの報告

An Objective Measure of Noseband Tightness and Its Measurement Using a Novel Digital Tightness Gauge

では、鼻革の下の骨や軟部組織に沿った様々な場所に圧力センサーを取り付けて、締め付けによる圧力を測定しました。

(実験では死体の頭部を用て、各部位にかかる圧力がどう変化するかについて、詳細に調査しました)

 

 馬の顔の『骨』は丸い形ではありません。

 鼻の骨の両脇は軟部組織で、さらに骨の幅は数cmと幅が狭いので、鼻の骨に一番強い圧力がかかる ことが確認されました。

鼻革の下に

指2本入る : 適切

指1.5本    : ほとんどの人が耐えられないレベルの圧力。(止血帯で感じる圧力の約3倍)

指1~0本 : 軟部組織の柔軟性は失われ、最大限に圧縮される。

指 0 本 : 止血帯の圧力の約10倍 

ヒトでは、50mmHgの強さで2時間圧迫すると、神経細胞が損傷されることが報告されています。

馬の鼻革の締め付けは、いくつかの顔の筋肉・血管・顔面神経などに損傷をおよぼし、ヘッドシェイキングにつながる可能性も憂慮されています。

2021年12月の記事

 この測定装置は、2025年5月1日からすべての分野のFEI大会でノーズバンドの締め付けすぎを防止するために使用されます。

 FEIスチュワードは、大会前または大会後に検査行うことができます

 すべての馬が検査されることもあれば、一部の馬を無作為に検査する可能性もあります。

競技前の測定において規定以上の締め付けを認めた場合、その後に再調整されない限り(ゆるめる)、スタートできません。

競技後にノーズバンドがきつすぎることが判明した場合は失権、選手にはイエローカードが発行されます。

ご自身でデバイスを購入する方はこちらから

FEI ファンショップ : FEI Measuring Device

Mahalo