前回の記事では、カイロプラクティック創始者のD.D.パーマがカイロプラクティックを開発した経緯や、その効果の大まかな機序についての説明でした。
背骨の異常なズレを矯正することで、身体の働きを司る神経系の圧力を解放し、身体の調和を整えるのがカイロプラクティックの基本でした。
その異常なズレを評価するのは達人的な触診や問診だけなのでしょうか?
個人的な意見ですが、カイロプラクティックがWHOに代替医療あるいは学問的分野として高く評価されている理由の一つに、画像診断という根拠に基づいていることがあげられると思います。
見た目の作業ではわからないところで、たくさんの知識が必要な技術です。
磯部先生は、どのようにしてカイロプラクターの勉強をして免許を取得されたのでしょうか。

画像診断とカイロプラクティック
脊椎の構造的変化を捉えるために、画像診断としてレントゲンが最もよく用いられます。
主に頸椎の正面像、側方像を撮影し、口を開けた状態や首を曲げた状態での撮影も行います。

近年では、コーンビームCT(CBCT)と呼ばれる歯科用のCTが用いられることが多くなってきました。
CBCTは、少ない放射線量で、高い空間分解能を有する画像を提供してくれます。価格も抑えられているため、歯科病院で多く導入されています。
3Dの構造理解が簡単にできるようになることは、『複雑な構造の頸椎』を『複雑に走行する』神経を相手にするカイロプラクターにとって、素晴らしい情報となります。
ただここまでは人のカイロプラクティックの一般的な画像診断。
はたして、動物のカイロプラクティックを専門とする磯部先生はどのようにして、歪みをつかみ取るのでしょうか。
そしてそれを学ぶためには、どのような教育課程があるのでしょうか。
今回は、馬のカイロプラクティック 第二回 🐎
カイロプラクターに興味のある方は必見の内容です。
馬のカイロプラクティック(1)はこちら。
カイロプラクターとは?
1895年に米国で誕生したカイロプラクティック。
古代ギリシャ語で「手で為す」という意味です。
術者はカイロプラクターと呼ばれ、ドクターの学位を取得していることからD.C.(ドクター オブ カイロプラクティック)とも呼ばれます。
欧米などカイロが法制化された国々では教育基準が定められており、一般大学でカイロ大学進学に必要な単位を取得あるいは卒業し(約3~4年掛かります)、カイロプラクティック大学へ進学します。
その後カイロプラクティック哲学、施術技術、触診、カイロプラクティックレントゲン学、カイロレントゲン体位と分析、放射線学、解剖学、解剖実習、神経学、生理学、発生学、病理学、臨床など5,000時間以上に及ぶ教育を受け、大学併設のカイロ院などで研修生として臨床経験を積み、卒業試験を合格しようやく卒業となります。(約3.5~4年)
教育期間は合計で約7~8年掛かります。

僕は米国サウスカロライナ州スパータンバーグに在る「シャーマン・カイロプラクティック大学」を卒業しました。

最後に4つある国家試験や州毎に必要とされる他の試験など全て合格して開業出来ます。


カイロプラクターとは、背骨の異常な変位(ズレ)が生み出す神経の通り道への圧力を特定・分析し、身体不調和の状態を背骨への施術により再び調和した状態へと導く専門家です。
レントゲンや現在ではCTと呼ばれる立体レントゲンなどの最新科学技術を駆使して背骨のミリ単位のズレを分析するなど、本当に専門性も高い職業です。
今日では本当に様々な分野でカイロプラクターの活躍が観られます。
出産やスポーツ、はたまた動物の世界でも。
専門的な知識や技術を有するカイロプラクター達は小児カイロプラクター、スポーツカイロプラクター、動物カイロプラクターとも呼ばれます。
馬や犬猫など背骨のある動物に施術する知識と技術を有するドクターを動物カイロプラクターと呼びます。
次回は僕の専門分野である動物カイロプラクティックについてご紹介します。
つづく
最後まで読んでくれてありがとう。
Mahalo