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馬のカイロプラクティック(3)

前回の記事では、磯部先生がカイロプラクターの資格を得られるまでのお話でした。今回は、現在に磯部先生が得意とされる動物カイロプラクティックについてお話しいただきました。

馬への施術風景

動物カイロプラクター

人間の様に、馬や犬、猫、鳥などへもカイロプラクティックを行う者を動物カイロプラクターと呼びます。

本場米国では競争馬、競技馬、家庭の馬までカイロプラクティックを受けています。各牧場や馬単位で専属カイロプラクターが付いている場合もあります。

犬は家庭の犬から競技犬、警察犬や災害救助犬など犬種を問わずカイロプラクティックを利用しています。

受けさせる理由は身体能力を快適に発揮させたい、調った良い状態で回復させたい、歩きがおかしい、座りが変、てんかん発作などなど本当に様々です。

脳と身体の意思疎通を妨害し、その機能を低下させる背骨の異常なズレ。

この状態から解放される事で、身体本来の力が快適に発揮されます。

馬の脳で言えば、小脳がヒトと比べて発達しており、動きを滑らかに連動させたり、平衡感覚を制御したりする能力に秀でています。

その反面、馬の歩行の様子が今の身体の状態を顕著に反映しており、動物カイロプラクターは歩様の状態から、元氣で調和のとれた状態か否か、身体の歪みや癖を読み取ります。

例えば歩行時におしりの片側が下がる、片方の歩幅が狭い、背中が丸くなっている、尻尾の振りが片側だけ小さいなど無意識の動きを観る事で背骨と身体全体の連動性を分析します。

背骨周りの筋肉のこわばり、足関節の柔軟さ、背骨の可動性や捻じれなども手で確認していきます。

レントゲンやCTなどの画像がある場合、背骨の状態を確認する上で重要な情報と成ります。この画像分析の分野が今後の動物カイロプラクティックの課題だと考えています。

人間の画像の取り方、分析法と比較しても大きく発展が遅れているのは、

やはり動物が画像撮影の為に何十秒も静止する事が難しく、床に押さえ付けられて又は全身麻酔などを使わないとまともな画像が撮れないという現実も在ります。

しかし施術精度や安全の確保を考える時、やはり背骨の画像を分析するのはとても大切な事だとお分かり頂けると想います。今後益々研究するべき分野となっています。

上記の様な検査を行い身体の異常な歪みや緊張を生む原因を背骨上に見出し、必要な時に手で素早く施術を行い背骨の異常なズレを取り除きます。

馬の場合、体格が大きい為施術方法は犬や人間と異なりますが、

原則は変わらず、力は要らず、集中力と精密さ、そして施術速度が要求されます。

大きな力は要らないので、女性の動物カイロプラクターの割合も多い様に感じます。

施術訓練1回目 集合写真

動物カイロプラクティックを習得する上で、米国での教育機関は幾つか在ります。

僕が卒業した学校はテキサス州に在り、広大な土地の丘に城がそびえ立っているかの如く大きな施設でした。

施設からの風景

受講資格はカイロプラクターや獣医師、卒業間近のカイロ又は獣医学生です。

教育機関「Animal Chiropractic Education Source」のサイト↓

科目は犬と馬へのカイロプラクティック哲学、歴史、科学、検査法、施術法、解剖学、筋学、神経学、生理学。頸椎、胸椎、腰椎、骨盤部の神経解剖学、獣医薬理学、症例研究などでした。座学としては129時間、実技としては111時間の教育期間です。

今の時代はとても便利で、座学の殆どをインターネットで受ける事が出来ます。

施術に関する科目は実際に現地施設で行います。僕の場合は3-4回テキサス州へ行き都度数日間施設に籠り研修しました。

犬の保護施設にて

研修で施術訓練をしてる時は本当に楽しく、実際に目の前で動物達が回復していく姿を観るのはとても感動的でした。

歩けなかった赤ちゃん犬が施術後にすぐ歩けるように成って一同ビックリ!

カイロプラクティックが貢献出来る幅の広さには、やってるカイロプラクター本人も驚くしかありません。

つづく

おまけ

なんど、2024年8月21日に動物カイロプラクティックのイントロダクションのフリーウェビナーが開催されます。1時間の講義です。興味のある方は是非お急ぎ受講申し込みを!!

Mahalo