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球節のさわりかた

関節液の増量って、どうやってわかるんでしょう。正しいさわり方、知ってますか?

関節液は、関節の中を満たしている液体で、役割は

①関節の潤滑油としてのはたらき

②軟骨に栄養を与えるはたらき

どちらも大切ですが、多ければよいというものではありません。

捻挫・感染・軟骨損傷・骨折などが原因で、関節に炎症が起きると、過剰に生成されるために関節が張ってしまいます。これを 『関節液の増量』 といいます。

馬の関節には 蹄関節 ・ 繋関節 ・ 球節 ・ 腕節 ・ 肘関節 ・ 肩関節 ・飛節 などありますね。 それぞれの関節は、形がちがうので触り方を知らないと、愛馬の異常に気付いてあげられません。

今回は、一番わかりやすい 球節 の触り方です。 そんなの簡単!!? 。。。。ほんとですか?

診療で、関節液が増えてるでしょ?と触ってもらうと、ほとんどの方が

これ、どちらも駄目です(熱感をみるなら、これで良いですが)。

関節液が増えているか判断するために正しい触り方は

  • 球節の前の方の袋を、両手でさわる
  • 液体(関節液)のふくらみを感じる
  • 内側(図の右手)で押すと、外側(左手)に 液体が移動するかどうかを感じる
  • 強く触りすぎると、潰れてわからないので、軽めにさわる

ちょっとだけ、アドバンス。 実験的に、球節の中に造影剤(バリウムとおなじようなもの)を入れてみると

  球節の真横のレントゲン
      造影剤入り
 造影剤入り(球節を曲げた状態)

球節は、前だけでなくて後ろにも袋が続いているんです。こちら側も増えることがあります。

赤い線で囲まれたところが球節の後ろの袋になります
内と外の両方にあるので、触り方はこうなります。
親指で前側の内外を、人差し指で後ろ側の内外を同時に触っています。

後ろ側も前側と同じで、内と外を同時にさわって、片方を押したときに液が移動してくるのを感じるように触ります。写真では、わかりやすいように馬の前側から触っていますが、肢をあげた時に危ないので、前肢であれば、できれば後ろ側からさわりましょう。

さいごに

関節液が増えていることが、すべて緊急性を要する病態をあらわしているわけではありません。ですが、常日頃から状態をチェックするために、しっかりと愛馬からのサインを受け取ってあげましょう。