
夢
私は宮崎県出身です。高校生のころから馬の魅力に取りつかれ、
『レッドリバー乗馬クラブ』でお手伝いをしながら、大学卒業まで、素晴らしい青春時代を過ごさせていただきました。
その間、疝痛に苦しむ馬に遭遇する機会が何度かありました。
獣医さんに往診してもらい、治る馬もいましたが、残念ながら命を落としてしまう馬もいました。
学生の私は
『どうして手術をして治すということができないものか。犬や猫の獣医さんは開腹手術をするのに、馬はどうして手術して助けてもらえないのか』と常々思っておりました。
当時の私は
馬の手術には何人もの協力が必要で、特別な施設が必要で、
麻酔・手術ともに、十分量の経験を有している人が日本には少ない
ことを知らなかったのです。
それ以来、
国内の馬たちの医療環境を改善するために、自分に何ができるのか を考えてきました。
馬のことをもっと知ること。
獣医師になること。
外科手技を身につけること
思想(目的)を持ち続けること
学習したことを社会に還元すること
おおよそ採算の見込める仕事ではありません。一人ではなく協力者を得てやる必要がありました。
昨年、ようやくこの想いが形になり、今後の展望が少し明るくなってきました。
その紹介をしたいのですが、まずその前に。。。。
本サイトの根幹ともいえる内容について、今一度書かせていただきました。
馬の手術について; 一次診療を担う獣医師がもつべきもの
北海道には、複数の診療所があり、毎日手術を行っている病院もあります。
当院は年間約800件の手術を行っています。
本州・四国・九州の乗馬だけで、それほど手術が必要な疾患はないでしょう。
手術だけで採算が合うことはないと思われます。
学生時代に N先生より頂いた大切な言葉があります。
『我々獣医師にとっては 1/100 の症例かもしれないが、飼い主にとっては 1/1 の大切なパートナーです』
採算ではなく、助けたいと思うオーナーの選択肢を広げることは当然のことです。
そのために必要なことは
- 日本国内(獣医師・オーナー・管理者)に 馬の診療に関する知識を 広げること
- 手術して助かる方法があることを周知させること。
- 手術できる環境を用意すること。
一般の方からすれば、『獣医さん』といえば、みんな動物の病気に詳しいのだと思われるでしょう。
ですが、人の医者でもそうですが 外科・内科・循環器科・神経内科・精神科・皮膚科・泌尿器科…
沢山専門があります。 獣医師も、馬を診ることが得意でない獣医師もいるのが事実です。
ですが、馬を助けるためには、一次診療の獣医師が身につけておかなければならない最低限必要な能力があります。それは、
手術が必要な状態か (すばやく) 判断する能力
です。
そのために、急患(疝痛)の診断時における 超音波検査 や 診断の方法 について比較的簡単にわかるようWeb上に載せました。 各地で啓蒙し続けることも今後必要となるでしょう。
また、Webの技術を使って診断のサポートをすることも可能な時代となってきました。
エコー画像などを共有し、遠隔地から経験豊富な獣医師と相談しながら診断する方法は、とても有効です。
馬の手術について; オーナー・管理者さま
自分の馬が疝痛になったときの不安感は計り知れません。
私も愛馬が酷い疝痛になったときは、恥ずかしながら手が震えていました。

もしかしたら、あなたは周りの人に
全身麻酔をした馬は能力が落ちる
手術をしても治らない
術後はつかえない
老齢馬は無理
など言われるかもしれません。ですが、それらは全て間違いです。
助けるために必要なことは、迅速かつ適切な 判断と治療 です。
時間が経過して、獣医師が来た頃には手遅れ ということもあります。
すぐに獣医師に相談し、 仮に手術が必要な状態であるとすれば、
手術を選択するかどうか のご自身の意思を 獣医師にお伝えください。
難しいことですが、残念ながら長く考える時間はありません。
時間の経過とともに手術の成功率は下がってしまいます。
費用のことも心配になると思います。事前に相談するのが良いかもしれません。
馬の手術について;施設
馬の手術をするためには、特別な施設が必要です。
実は国内には皆様が想像しているよりも、沢山の手術可能な施設があります。

ご自身のお住まいの地域に一番近い病院はどこでしょうか。。。
その日は突然に
- 2021年10月16日。朝7時30分。
関西で働く知人のA先生から、私(北海道)に電話がありました。
『軽度の疝痛で6日目の乗馬がいる』 とのこと。
8歳・サラブレッド・セン馬 ブラックライト号
激しい痛みではなく、鎮痛薬で一時的に痛みが治まるが、また痛くなる。。。の繰り返し。
はたして、ブラックライト 君の運命はいかに。
Part 2 へ続く。。。
Mahalo