PBMヒーリングデバイスの可能性

🐴 前回の復習🐴
馬のケアに革新をもたらす「光の治療」PBMとは?
**PBM(フォトバイオモジュレーション)**は、赤色〜近赤外線の光を使って、馬の体の回復力を高める新しい治療法です。
細胞内のエネルギー産生を助け、血流を改善し、炎症を抑えることで、自然な治癒をサポートします。


人医療では、歯科矯正で使われています。
歯科矯正領域におけるPBMは、細胞の働きを活性化させることによって『歯の動きを早める』『痛みを軽減する』ことが期待されています。
現在のところ、効果には個人差があり、効果の科学的根拠はまだ十分ではありませんが、国内でもいくつかの病院で使われているようです。
仕組みと作用

PBMは、細胞の中のミトコンドリアを刺激することで効果を発揮します。
特に シトクロムCオキシダーゼ という酵素を活性化させ、エネルギーを作り出すアデノシン三リン酸(ATP)の産生を増やします。
ATPは細胞のエネルギー源であり、これが増えることで治癒のスピードが上がり、酸化ストレスの軽減にもつながるとされています
馬における応用例
PBMは、以下のような症状に対して補助的な効果が期待されています:
- 腱・靭帯の損傷:コラーゲン生成を助け、組織の再構築を支援
- 関節炎:炎症の緩和と可動域の改善
- 筋疲労:運動後の回復促進、乳酸蓄積の抑制
- 創傷治癒:感染リスクを抑えながら治癒を促進
- 背部・頸部の痛み:深部組織へのアプローチによる疼痛緩和
使用されるデバイス
PBM療法には、馬の体格や症状、使用する目的部位に応じた専用デバイスが用意されています。
- エクワインパッド:関節や背部など、広範囲に対応する柔軟な照射パッド
- エクワインブランケット:全身照射用。運動後の回復支援に活用
- スポットアプリケーター:局所的な損傷部位に集中的に照射
これらは獣医師の指導のもと、症例に合わせて使い分けられます。

1日1~3回、1回15分。 または、健康維持のために 2日に1回でもOK。
繋ぎ場につないだままで良いのも使い勝手が良い♡
安全性と注意点
PBMは非侵襲的で薬剤を使わない治療法として注目されていますが、すべての馬に著しい効果があるかは症例の治療結果の蓄積を待っている段階です。
現在までに重篤な副作用は報告されていませんが、照射プロトコルは個体差に応じて調整が可能で、相談もできます。
次回は
競技馬の損傷予防とパフォーマンス向上
について。ご期待ください。
Mahalo