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馬の『屈腱腱鞘の腱鞘液増量』について -1-

『肢が腫れた』シリーズ第二弾。

繋ぎ(つなぎ)の裏や球節の後ろ側が腫れることがあります。

原因は様々ですが、大きな問題でないものから、急いで治療した方が良いものまで様々です。

今回はそんな 屈腱腱鞘の腱鞘液増量 について

まずは、馬をみて腱鞘液が増えていることが分からなければ、話が進みません。

一度にすべてを載せるのは難しいので、まずは屈腱腱鞘の場所と触り方などについて。

獣医レベルの詳しい解剖を勉強しようと思ったら、超絶おすすめはこの本。かなりおすすめです。

屈腱腱鞘(くっけんけんしょう)とは

 屈腱腱鞘は、 深指屈腱、浅指屈腱、直種子骨靱帯 が内包される縦長の袋状の構造です。繋ぎの裏から球節の裏を通って、管の中央くらいまで伸びますDigial Sheath

 正常でも少量の液(腱鞘液)が入っていますが、普通はわかりません。何らかの原因で、腱鞘液が増量した際に触ってわかるようになります。球節の関節とは交通していません。

 以下は、TheEquine Distal Limb より まずは繋ぎの高さの横断像

屈腱腱鞘(くっけんけんしょう)の触り方

 正常であればよくわかりません。増えた時はどのように触るのでしょうか

上の断面図 25 あたりの膨らみを触ることができます。 液が増えると内外両方で触れます。

繋ぎの裏も増えていると触りやすい場所です。

球節の関節液と近いので、見分けを付けにくいかもしれません。

球節の関節液が増えた時は、ここ↓

繋靱帯の前側を触ります。

今回の 屈腱腱鞘(くっけんけんしょう)は、

繋靱帯の後ろがわを触ります。繋ぎの裏側とつながった袋なので、膨らんだ場所を抑えると、中の液体が移動して、袋の別の場所が膨らみます。 右の写真は、繋ぎの裏をおして、中の腱鞘液が上まで移動するのを確認する触り方です。

  1. 屈腱腱鞘の腱鞘液は、繋靱帯の後ろ 
  2. 球節の関節液は、繋靱帯の前
  3. 屈腱腱鞘は縦に長いので、繋ぎの裏と球節の上あたりで2個所同時に触るとよくわかる

これで、腱鞘液が増えたことを触ってわかるようになりました。

次回以降は、腱鞘液が増える病態について の予定

Mahalo